行基
西暦668年、行基は河内国大鳥郡(現在の堺)に生まれた。諸国をめぐり、その一生を民衆布教と社会事業に尽くしました。井戸や灌漑用の池、橋や道路などの土木工事をはじめ、貧しい旅人のために無料宿泊所を設けるなど、民衆救済のための数々の事業を行った行基は、人々から“菩薩”と呼ばれ慕われたといいます。また、畿内に49もの寺院を建立し、晩年には東大寺の大仏造営にも尽力。749年、奈良の菅原寺で82歳の生涯を終えました。
桜の水賀池
家原寺
行基が自分の生まれた家を寺にしたもので、現在は「知恵の文殊さん」として知られ、受験シーズンには多くの参拝者が訪れます。本堂の壁や柱は合格の願いを書いたハンカチで埋め尽くされ、毎年1月最終日曜日に行われる「大とんど」とともにこのお寺を有名にしています。9時〜17時/有料/072-271-1505
家原寺境内
国史跡『土塔』
行基が建立した大野寺の仏塔で、一辺約53.1m・高さ約8.6mのピラミッド状に土を積み上げ、各層に瓦を葺いた土の塔です。出土した瓦には塔を造る時に協力したと思われるさまざまな階層や職業の人名がヘラ書きされていました。行基を支持した民衆の幅の広さが想像できる発見です。
大門池からの土塔
土塔の復原模型